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【2017年度版】インバウンドビジネス総合展 3日目セミナー要約

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東京ビッグサイトで3日間にわたり開催されたインバインドビジネス総合展も本日で最終日。そこで実際に聴いたセミナーの内容を簡単にまとめました。
top photo by:Phillip Maguire / Shutterstock.com

目次

(講師:守護 彰浩氏 ハラールメディアジャパン 代表取締役)

(講師:アレックス・カー氏  東洋文化研究者)

重要なのは情報開示・一歩から始めるムスリムおもてなし

講師:守護 彰浩氏

ハラールメディアジャパン 代表取締役

メモをしたレジュメを元に記事を作成しています。

世界人口の1/4はムスリムです

ムスリムとはイスラム教徒のことです。現在、ムスリム人口比率は23.2%で世界の人口の1/4となっております。ハーラルメディアジャパンの調べによると2016年の1月から9月の間、日本全体のインバウンドからのムスリム比率は4.20%に留まっています。ちなみに中国のムスリム比率は2.0%、インドは14.6%。守護氏曰く「世界の1/4がムスリムにも関わらず4.20%は少ないと感じる」との事。

今一度、どういったことをすればムスリムの方が喜ぶのか考えなくてはいけません。

重要なのは知り合いのムスリム≠すべてのムスリムではないということです。

あの人はお酒を飲むから、あの人は豚を食べるからと、自分の知り合いのムスリムの情報だけで考えてはいけないのです。

ハラールとはイスラム教の戒律において許されているということです。

日本に来日しているムスリムはイスラム教の教えを守ることを重要視しています。

守護氏曰く「日本に来るムスリムの留学生は非常に優秀な人が多い。」そういった人たちが安心して日本で暮らせるようにしないといけませんね。

今ムスリムが注目しているのは日本の「化粧品」「ネイル」「美容室」「和柄ヒジャブ」です。

例えば美容室。ムスリムの女性は身内以外の男性に髪を見せることができないことから完全個室で、女性対応の美容室が求められます。ムスリム対応の美容室は東京、千葉で増えています。

日本のハラル化粧品は人気です。化粧品もアルコールが含まれるもの、体に害をなす化学物質や豚など禁止された動物成分が含まれた化粧品は戒律に引っかかるため使えません。日本のハラル化粧品は徐々に注目を集めており、PBJ株式会社が開発した「桃姫」をはじめとしたハラール認証を受けてる化粧品が増えています。

ハラール認証とは

 

ハラール認証とは一般のムスリム消費者が安心してイスラム教に反さずに商品を使えるように、専門家がハラルだと保障する制度のことです。ハラール認証機関は非常に増えており日本では100以上あると言われてます。

ただしインバウンドビジネスにおいて必ずしもハラール認証が必須というわけではありません。

ハラール認証を受けるにはそれなりにお金が掛かることもありリスクも高いです。ですのでしっかりと情報開示をすることが大事です。

ハラール認証を使わずに成功している飲食現場の具体例

 

侍ラーメン

鹿児島市のラジーゼン国際食文化研究所が開発・販売している侍ラーメンはムスリム対策をしているラーメンです。基本的にムスリムの方はアルコールや豚肉を食べることができません。ですので侍ラーメンは保存でアルコールを使う生麺を避け乾麺を使用、スープも豚骨、鶏がらを使わずに濃厚なスープを再現することに成功しています。ノンアニマル、ノンアルコールをうたっているのでムスリムだけでなく海外のベジタリアンも食べることが可能です。

・日光軒

栃木県佐野市にある「日光軒」ではムスリムの方でも食べられるハラール餃子を提供しています。餡に豚肉をつかっておらず鶏肉を使用しています。

・日本食レストラン祭

大阪府大阪市にあるレストラン祭。ここでは外国人が食べたい日本食トップ10が食べられるところです。例えばたこ焼き。たこ焼きは本来ソースに動物成分が使われているためムスリムの方にはNGとなっておりますが、ここでは独自ブレンドのもの用意しています。ハラールのたこ焼きやはなんと日本初なんだとか。レストラン内には礼拝堂もあり、ムスリム対応は万全と言えます。

・カキ小屋築地店

築地にあるカキ専門店であり、ここもムスリム対応をしています。ガンガン焼きというカキの食べ方があります。ガンガンとは東北地方では「缶」の事を指しており、ガンガン焼きとは缶にホタテやカキをいれてお酒で蒸す料理を言います。お酒がムスリムの方は飲めないので、ここではムスリム対応としてお酒ではなくお湯を使います。缶もムスリム専用のものを使う徹底振りです。

以上の事例はハラール認証を取らずに成功している事例となります。とにかく情報開示が大事です。

観光庁はムスリムのおもてなしについて基本的な考え方を紹介しています。

●英語の情報開示

●ノンポーク、ノンアルコール

●ハラールミート

●ハラール調味料

●調理場・調理器具・食器・食事場所が求められることがある

豚肉を調理したことの無い食器、調理器具を求められる事があります。食器を全部揃えるのはそもそも難しいので、「気になる方は紙皿も用意ができますよ」という対応もできます。

ムスリム「も」食べられるが重要です。

今のメニューをハラールにしませんか?

今のメニューをハラールにして成功しているお店を紹介します。

・浅草のすし賢

東京都浅草にあるすし賢は、すべての食材をハラール対応にしています。通常寿司で使われるお酢・醤油にはアルコールを使用することが多いのですが、すし賢ではみりん、アルコールを使わないレシピに変更しています。長年通っていた常連も気が付かないほど、きちんと寿司の味を再現しています。

・御徒町 焼肉ぱんが

お肉がすべてハラルになっています。焼肉のたれにみりんが使われていたので変更しています。

こういった事例をもと、どこまでやるかは各企業様次第だと守護氏は言います。そしてこのような取り組みは一社二社では駄目です。町ぐるみ都道府県ぐるみ国ぐるみで取り組んでいくことが大切なんです。

美しき日本を求めて

講師:アレックス・カー氏(Alex Kerr)

東洋文化研究者

今インバウンドが大変な盛り上がりをみせておりますが、ここで原点をみてみましょう。

昔は観光産業は軽視されており、地方では企業誘致が最優先とされてきました。

しかし今地方に行くと人口減少、高齢化でシャッター街が増えました。人口の減少は地方に行くほど早いんです。

今では人口減少学という学問が生まれるほどです。しかしこういった現象は日本だけではありません。ロシア、イタリア、イギリスでも人口減少が進んでいます。中国でも一人っ子政策の影響で減り始めてます。

ただ人口減少の利得もあります。

たとえばイタリアのトスカーナ。古民家の不動産価値が上がりました。

イギリスのレークカントリーは観光客で賑わっている。

一方日本の京都。

海外から見れば古きよき京都の町並みですが、京都人にとって古臭い京都から脱皮したい、現代的ではないと考えています。こういった考えを正す必要があります。景観を守る事が大事です

何を望んで海外の人は来るのか

かつて景観という言葉は軽視されていました。そんなことよりも大きな道路やビル、看板を付けることが経済発展に繋がると信じられていました。

しかし今は観光に依存する時代なので考え方を変えなくてはいけないです。

海外の観光客は美しい自然や文化を求めています。

日本は土建国家

日本は莫大な公費を土木建築工事に使っています。昔は確かに道路整備など必要ではあったのですが今は時代が違います。しかしいまだに昔の体制を変えずにいるというわけです。

例えば群馬のループ道路など建設費数百億円かけたにも関わらず交通量がゼロみたいな、実に無駄な建設物が生まれています。無計画に道路、ダムなどが作られています。

看板

ハワイ・ニューヨークでは看板が規制されていますが、日本では規制がありません。一応京都では景観条例で看板規制ができましたが、それでも看板は多く残っています。それらの看板があることで何か変化があるのでしょうか?

例えば観光地で有名な大分県の湯布院では景観をよくする為、大分銀行湯布院支店の看板を下げました。しかしそれでこの銀行の経済的損失はありませんでした。しかし看板を下げることによって雄大な由布岳がしっかり見えるようになったのです。

モンタージュ写真から学ぶう事

セミナー会場ではイタリア・フィレンツェのダヴィデ像と日本特有の看板で合成されたモンタージュ写真が写されました。ダビデ像の周りに「ここは禁煙です」とか「石段の上に上がらないでください」といった看板が無造作に置かれています。

続いて紹介されたのはバチカンのサン・ピエトロ広場。現状ではバスが遠くて不便ですが、モンタージュ写真でバスが止まれる大型駐車場ができました。とても便利に感じます。

また役所が好きな「ふれあい看板」の写真をストーリーにして紹介するなど、日本人としてはついつい笑ってしまいながらもなんだか恥ずかしい気持ちにもなりました。

アレックス氏のブラックユーモアで会場は笑いに包まれましたが、実に考えさせられました。

「何でもない」魅力

例えば京都で言うと金閣寺や銀閣寺といった歴史的建造物は文化庁が面倒を見てくれますが、ちょっとした町の窓、田舎の石垣などは大事にされない。「こういった物を残していくのが私たちの仕事としています。」とアレックス氏は言います。

和歌山、三重、奈良の県境にある峡谷の瀞峡(どろきょう)、日本のナイアガラと言われている群馬県の「吹割の滝」といったすばらしい景観を次の世代に残していかなくてはいけません。

祖谷(いや)との出会い

大学時代に日本をヒッチハイクで旅をしたころに徳島県の山奥の祖谷(いや)に出会いました。日本の三大秘境の一つとなっているこの場所が好きになりました。過疎地帯だという事を知り空き家がごろごろありましたので、そのうちの一つを大学生でありながら購入。篪庵(ちいおり)と名づけました。はじめはぼろぼろの状態でしたが徐々に改修工事を重ねて生まれ変わりました。

祖谷はアクセスも悪いし、世界遺産に登録されているわけでもないので観光地としては従来の観光地感覚で言えばアウトであるにも関わらず数十カ国から3万人が訪れています。何故か。何でもない魅力、自然そのもの、文化を求めてやってくるのではないでしょうか。

古民家のイノベーション

とはいえ古民家そのままでは誰も宿泊してくれるわけではありません。現代人が古民家に住むのはなかかか難しいものです。

あくまで文化保存ではありません。大胆なイノベーションを重ね、外観は古民家そのままですが内装は変えており現代人でも無理なく住めるようになりました。冷暖房やダイニングテーブル、ワインバーを入れることで、古民家に現代的な味を付ける事をしています。

そして宿泊者数も増えて、結果的に新たな産業が生まれました。

禅語で「明珠在掌(めいじゅたなごころにあり)」という言葉があります。人間はだれしも非常に価値のある物(明珠)を持っているという事です。日本も景観を損なうような要らない道路や看板をつくったり、貴重な古民家を壊したりしてきましたが、日本にはすばらしい宝がありますのでそのことを忘れてはいけません。

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